15年ぶりの再会

話は15年以上前に遡りますが、以前勤めていた会社で仲のよかった同じ歳の友人Kが結婚したのは入社して4年後。そして臨月近くなって退職。旦那さんとなった人は同じ会社の1年下の後輩社員。

 

中途採用でその会社に入社したKentは、その同じ歳の友人よりも少し前に入社しており、Kentが入社してすぐに、同じ歳の新卒者が入社してきたというわけ。だからKentは勝手にその年の大卒新入社員を「同期」と認識して仲よくしてもらっていました。

 

当時、新入社員は全員その会社の母体となるR社が発行するフロムエーというアルバイト求人情報誌を発行する別会社に研修という名の丁稚奉公に出す制度があり、もちろんKも他の同期入社数名と約3ヶ月の丁稚奉公へ出たのでした。当時はインターネットなどなく求人誌は紙媒体が主流で、当時はバブルの終わりに差しかかっていたものの、Being、とらばーゆ、フロムエーなどR社発行の求人情報誌はまだまだ花盛り。競合誌も多かっただけに、フロムエーの営業はそれこそ「アポなし飛び込み営業」をやってなんぼの世界。

 

当時、総務課にいたKentは、このKを含む新入社員のお世話係をおおせつかい、フロムエーに営業研修に行っている間、その新入社員から定期的にレポートをもらい、誰が何件の飛び込み営業をして、何件受注を取り付けたのか、社内報に面白おかしく書いて記事にしたのでした。

 

そこで圧倒的強さを見せたのがK。飛び込み営業の件数の多さ、初受注の早さ、トータル受注件数、どれをとっても他の新入社員を寄せつけずにダントツ1位。3ヵ月後、研修を終え会社に戻り、新卒者全員営業部に配属。そこでもKは圧倒的な数字を見せつけ、その年の新人賞をかっさらっていったのでした。

 

Kは1年後に新入社員として入社してきた男性社員O(オウ)と恋に落ちましたが、Oもまた、その年の新人賞を圧倒的な強さを見せて受賞した新人で、当時は誰もが納得の受賞でした。その後もOは圧倒的な営業力を見せ、並みいる先輩営業マンを退け、年間MVPを受賞するという優秀な営業マンに育っていったのです。

 

入社5年後、KはOと結婚して、妊娠、退職。Kentもその後退職。Kと仲が良かったKentは、Kの退職直前、銀座へ夕食に行く途中、有楽町の交差点で信号待ちの際、Kのせり出たお腹を見て「お腹触ってもいい?」とお願いして、触らせてもらったのを覚えています。

 

15年後、そのときお腹にいた子供は15歳の女子高生に成長し、今シドニーに短期留学中。高校主催の短期留学プログラムの定員枠に漏れてしまったとKから連絡があり、それならばと、シドニーに越させるようにKにお願いしたのでした。

 

生まれてすぐに見に行った事がありましたが、あの時お腹にいた子供がどんな風に成長しているのか15年ぶりに会ってみたかったのです。

 

15歳に成長したNちゃんを目の前にした時は言葉を失うくらいビックリしましたが、何よりも、当時バリバリの営業ウーマンだったKが、母親の視点であれやこれやと子供を心配したり、突き放したり(笑)。なにかそちらの方がおもしろかった。

 

K & Oへ

2週間、お預かりします。今のところあなたがたのお嬢さんは順調です。

15歳とは思えないしっかりとした子で、言葉遣いもわきまえているし英語も上手。Kentは親にまだなっていないから(これからなるつもりか?)親の気持ちはピンとこないけど、人様のことながら、ここまで子供一人育て上げるのは、並大抵ではなかったろうにと思ってしまいます。Kentには分らない15年のその歴史をリスペクトしつつ、Nちゃんには適度に優しく、そして適度に厳しく、2週間接していきたいと思います。まずは安心してお任せ下さい。

 

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