照れくさい誕生日

突然ですが、誰にでも誕生日はあります。Kentにも当然あるわけです。日本では自分の誕生日も忘れるような生活を送っていたし、自分でも「今更誕生日なんてね・・・」なんて思っていた。

先日、母親から「誕生日おめでとう」のおめでとうコールがありました。日本ではそんなことしなかったくせに。なんだか照れくさいものですね。電話とはいえ改まって「おめでとう」なんて言われると・・・。そんなにめでたい歳でもないのにね。子供は何歳になっても子供っていうのは本当なんだろうね。まー、でもそんな風に言ってもらえるのはありがたいものです。

 

さて、シドニーで何かとお世話になっている友人Tさん。

Kentの1つ年下ではあるけど、シドニー在住はもう15年・・・。Kentがさして将来の夢や希望を持たずに、ただただ毎日の忙しさに翻弄され、目の前のことで精一杯だった20代半ば。前職のリク●―ト社で毎日営業に駈けずりまわっていたあの頃、同じ世代を生きていたTさんは、同じ東京でKentとはまるで違う人生を歩み、そして20代半ばにしてシドニーに降り立っていたのである。そして15年・・・。

 

Kent、誕生日なんだからさ、なにか美味いもの食べに連れて行ってあげるよ。パーーッと行こうよ。誕生日なんだからさ、一言「ゴチッ!!」って言えばそれで良し」

 

人は誰でもいろんな人との出会いを重ね、人様のお世話になることだってある。助け助けられながらの15年。ましてや海外。Tさんが連れて行ってくれたレストランは、Tさんがむかーしお世話になったという方が経営しているフレンチレストランだった。

 

「昔ね、このレストランの2階にしばらく住まわしてもらったんだ」と、Tさん。

 

実はこのレストランの2階は現在Function Roomになっており、団体客のパーティーなどを行う部屋になっている。1年程前、ある友達の誕生日パーティーに呼ばれた時、まさにその2階でパーティーに参加したKent。

 

えっ!Tさん、この2階に住んでいたの??」

「うん、当時は普通の部屋でね。しばらく厄介になっていたんだ・・・。このレストランのオーナーには本当にお世話になってね。このレストランはボクのシドニー生活の原点

 

10数年経った今でもそのレストランはしっかり経営されており、お世話になったというオーナーも現役でオーダーを取っている。

「こうやって、ちょっとしたオケージョンに友達を連れてきたり、たまにこうして顔を見せることが自分なりの恩返し」だそうだ。

 

なんだか素敵だとおもいませんか?その人との出会いが自分の原点だと言い、10年以上経ってもその原点を忘れずにそのレストランに通うTさん。

言い忘れましたがそのレストラン、シティーに程近いある高級なエリアのど真ん中。そのレストランの客層ときたらそれはそれは皆様お上品。見渡すところアジア人の客はKentたち二人のみ。

 

その日のSpecialの前菜とメインのラム肉に舌鼓を打ち、せっかくだからデザートも食べようということになり、KentはベルギーチョコレートのムースとBlood Orangeのシャーベットをオーダー。

 

そしていきなり始まったHappy Birthdayの大合唱!!オーナーさんがデザートを運びながら歌い始めると、その場のお客さん全員が示し合わせたように始まったHappy Birthday。

 

あのー、テレビなんかで観たことあります?サプライズの誕生日の合唱・・・。恥ずかしいッスよ。ハイ。でもうれしかった。

 

歌の最後は「オイ、オイ、オイ!!」というヘンテコな掛け声があるのがオージー風のようで、お客さんのオージー達は勝手知ったるタイミングで「オイ、オイ、オイ!!」、そして拍手の嵐。

後ろに座っていた上品なご婦人は、拍手が鳴り止むと「今日はおめでとう。本当に良かったわね」とステキな笑みをくれたし、隣に座っていたマネキン人形のようにピカピカ光るそれはそれは美しい男女のカップルも、帰り際に席を立ちながら「今日はおめでとう。楽しんで」って声をかけてくれました。

Tシャツで来てしまった冴えないKentはただただ恐縮するばかり。「あっ、ありがとう」って言うのが精一杯。

 

Kentさぁ、もう自分たちはアラフォーさ。たまにこんな風にちょっとした贅沢してもバチは当たらないし、そういうプチ贅沢は心を豊かにしてくれる。長く住むものには必要な活力剤だよね」

 

はい、その通りでございます。

Tさん、ありがとう!思いがけずステキな誕生日プレゼントをもらいました。

 

French Desert.jpg

 

カードには、フランス語で「誕生日おめでとう」と書いてありました(たぶん)。

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